*参

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「まあとりあえず、さ。今日一日は僕の予定にとことん付き合ってくれるんでしょう?」 「え?ええ、そのつもりですが…」 「よしっ。じゃあこんなところでだらだらしてないでさっさと行こ!久しぶりの日本だし学園外はろくに歩き回ったこともないし、もう待ちきれないんだよねえ」 繋いだ手をそのままに、半ば強引に僕と朱石くんと学園を出た。 …あんなことになるのなら、僕は何があろうと学園から決して出たりはしなかったのに。 Side.P これは、一体なんの悪夢だろうか。 「……」 「おい」 これが悪夢だというなら早く醒めてくれ…一刻も早く。 「…」 「っチ、おい!」 どうして俺は今、こんな奴と二人きりでこんなところにいるのだろうか。 「…」 「~っっ、おいテメェ、聞こえてんのか!?」 …ああ、そうだ。あの糞秘書…って言ったら九十雲さんに怒られる。あいつ、月詠のせいだ。 「…Troppo rumoroso<うるさい>」 「はァ!?何言ってんのかわかんねえよ、日本語喋りやがれ!」 そもそもこんな喧しいやつと二人きりになったのは100%月詠のせいであり、先程までは月詠に双子のもう片方もここにいたのだ。なのに何故こんなことに… こいつ、朱石の側近の双子の片割れである華蜜(煩い方)と二人きりになったのを説明するには、今から数十分前まで遡らなければならない… **
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