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「あれ?」
ん? 美琴ちゃん、窓の外なんか見つめてどうしたんだろう?
「どうしたの?」
「あれって、あんたの彼氏その2じゃない?」
か、彼氏その2~???
「み、美琴ちゃん。人聞きの悪……あっ!」
な、なんで~~っ? なんでロイが学校に来てるのよ!?
「間違いなかったでしょ?」
間違ってるわよ~。ロイはうちの居候であって、彼氏なんかじゃないもの。
大体、彼氏その2って、その1は誰よ!?
なんて突っ込んでる場合じゃない~い。
「私、ちょっと行ってくる!」
「いってらっしゃ~い。ダーリンによろしく~」
美琴ちゃんったら本当に楽しそうなんだから! ……でも、多分逆の立場だったら、私も同じことするんだと思うけど……。
あ~っ! そんなこと言ってる場合じゃない!
私は、思いっきり廊下を走って、裏庭に向かった。
「お~、いた、いた。俺もさ、学校ってやつ体験させてくれよ。俺、家にいるの、もうつまんなくてさあ」
「ちょっと、ロイ。何言ってるのよ。ここの学生じゃないと、学校の中には入っちゃダメなのよ」
「堅いこと言うなって」
「そういう決まりなの。学校が終わったら、買い物に連れて行ってあげるから、家で待ってて」
「そんなのつまんえよ。だって、肉は体に悪いって、魚ばっか買うし。おやつのチキンナゲットだって、2回に1回しか買ってくれないし」
「今日は、お肉料理にしてあげるわよ。それに、チキンナゲットも買ってあげる」
「やった~! けど、学校って面白うそうだから、かなたのお前の勉強が終わるまで、ここで待ってる」
「え~。それはダメよ」
「なんでだよ? あっちの広場で、サッカーの準備してる奴がいたぜ。俺、一緒に遊んでるから」
「それは、遊んでるじゃなくて、体育っていう授業なの。だから、ダメだって」
「ちぇ。じゃあ、うまそうな肉とか野菜とかが置いてあった部屋があるから、そこでなんか食べさせてもらってるよ」
「それもダメ~。それは、家庭科室。これから、お料理作りの勉強をするの」
「勉強? じゃあ、俺、味見してやる!」
「あのね、ロイ。授業は学生じゃないとできないの。だから、家で待っててよ」
「家にいたらフロリアがうるさいんだよなあ。あっ、なあ、お前の横でおとなしく座ってるってのもダメか?」
ロイがおとなしくできるわけないじゃない。
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