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「それじゃ、団体戦のメンバー以外は解散。 押忍!」
主将の赤井がそう言うと、
約三十人いる柔道部員たちは
「押忍!」と返事をして、
早々と部室を出て行った。
赤井の言葉が意味するところ、
それはマネージャーである私が今日も、
団体戦メンバーにこの部室で
レ○プされるということ。
高校二年になった春休み明け、
あの日から繰り返されている日常的なこと。
それでも今日こそは
何事もないようにと願いながら、
部室の片付けを始める。
この人たちが昨日のテレビの話をしている間に、
早く終わらせて帰らないと。
後はこのノートを棚の上段に入れてーーーーーー
「じゃ、始めっか、葵ちゃん」
いつの間にか赤井は私の後ろに立ち、
ノートを持つ腕を掴みながら耳元で囁く。
何度繰り返されても、慣れることのない恐怖。
それでも私には
自分の感情を表に出すことが許されない。
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