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「遊園地へ行こう」
セイゴさんがそう言い出した。
私は丁度その日、仕事が休みの日だったし、堂々とデートができる間柄になったのだから、ひとつ返事をしていた。
「遊園地なんて、久しぶり」
遊園地の賑やかなゲートの前で、私は興奮していた。
「ん」
セイゴさんが、腕を出してくる。
つかまって……ってことなのかな。
私はそっと、彼の腕に絡まる。
ドキドキが、伝わりそうだった。
相変わらず細い腕。
だけど、とても頼もしい腕だった。
「大丈夫なの?」
私は浮かれすぎないように、平静を保った。
「何が?」
「また、写真撮られちゃったりしたら……」
私の不安を、セイゴさんは笑い飛ばす。
「写真に載ってもいいじゃない。俺と星羅ちゃんの仲は、事実なんだし。いい記念になるさ」
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