セピア色の夕焼けが眩しい

14/21
前へ
/319ページ
次へ
セイゴさんはそれを取って、私に渡してくれた。 「ありがとう」 「なんの」 私はぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる。 ふかふかのぬいぐるみは、抱き心地が良かった。 セイゴさんからの、初めてのプレゼント。 大切にしようと思った。 そして私たちはゲームコーナーから出て、近くの売店へと歩き出した。 「遊園地といったら、ソフトクリームだよね」 「そうそう。みんな食べてるから、自分まで食べたくなっちゃうの」 私の言葉に、セイゴさんは笑顔を返す。 まぶしい太陽みたいな笑顔。 売店に着くと、セイゴさんは“バニラソフトをひとつ”と店員さんに言った。 「ひとつ?」 「うん、カップル食い、しよ」 ひとつのソフトクリームを、ふたりで分ける、ということだ。 「わ~、私やったことない」 「俺も。一度やってみたかったんだ」 ソフトクリームを受け取って、近くのベンチに座る。
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

218人が本棚に入れています
本棚に追加