一通目

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返ってきた返事は予想できた。メアドは変わってて名乗ってもいないのだから。 「えっ、黒田じゃないの?」 わざと名乗らず遊んでやろうと考えてた。 だが、この答えは予想していなかった。 「私はユリっていうのよ」 知らない名前だった。僕にユリという名前の知り合いはいない。 「えーと、僕は林って言います」 「知らないわ」 「友達にメアドを教えてもらったんですけど間違えたみたいですね」 「そうなの」 「何かの縁なのでメル友になりませんか?」 「いいわよ(ニコッ」 ただなんとなくの気まぐれだった。 こうして彼女とのメールのやりとりが始まったのである。
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