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「どうした?」
捺さんが目を見開き、私に問いかける。
「別に・・・」
捺さんは私の視線を辿るように顔を横に向けた。
「ケーキか…食べたいんなら食べればいい」
「いいの?」
「食べたいんだろ?すいません・・・」
捺さんがボーイを呼んでくれた。
「シフォンケーキ一つくれ」
「種類は?」
「種類?何がある?」
「ココア、紅茶、プレーン、抹茶の4種類です」
「どれにするんだ?留奈」
「ココアで」
「じゃココアを頼む」
ボーイは厨房へと戻って行く。
「女はケーキとか甘い物がスキだな・・・」
その声は少々呆れ気味。
「すいません」
「別に謝るな…俺だって嫌いじゃない。だから、俺にも一口食わせろっ」
「はい」
捺さんは甘いモノが苦手ではないのか。
そう言えば、私は彼のコトを何一つ知らない。生年月日、血液型、好きな食べ物とか・・・
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