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~捺side~
この間の食事会では、突然のビックビジネスのおかげでHは未遂に終わってしまった。
今日の夜は会食。
でも、キス一つ位はしたいな。
ケーキの食べさせ合いをするなんて・・・
馬鹿なコトをしているなと言う自覚はあったけど、留奈と過ごす貴重な時間・・・めいっぱい楽しみたかった。
『建築業界の悪魔』と言われた俺も彼女の前では形無し。
精算を終え、カフェを出て、ショッピングエリアでウィンドショッピングしようと肩を並べて二人で歩ていた。
留奈の装いはパーティの日、着替え用に着せたフレアスカートのスーツ。
あれは俺が留奈に似合うと思って購入した服だった。
俺の見立て通り、彼女に良く似合っていた。
薄いけど、メイクもちゃんとしている。
9歳年上の俺と釣り合うように彼女なりに気を遣っているようだ。
でも、シフォンケーキを美味そうに頬張る留奈を見ていると中身は女子高生のまま。
「捺?」
「恵?」
俺は前の前の前の彼女・恵に鉢合わせした。
「捺、こんな所で何してるの?」
「ん、あ・・・いや」
俺は言葉にならない言葉を発し、横に居る留奈をチラリと見た。
「!!?」
留奈がいきなり俺の腕に腕を絡めて来た。
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