(8)ウエディングドレス

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「留維も何か言ったら?」 お父さんは黙って私のウエディングドレス姿を見つめるだけ。 「・・・キツくはないか?」 お父さんの口から出た言葉に拍子抜けした。 「サイズはピッタリかな?」 お父さんは頭のベールに触れて、形を整える。 「他に何か言うコトないの?お父さん」 お父さんが昔からテレ屋なコトは知っているけど、何か一言でも褒め言葉が欲しかった。 「別に何もない・・・」 「お父さん、私はお嫁に行くのよ」 私はお父さんを詰る。 「桐生社長はいい男だ。式の当日でもないのに・・・言う言葉なんてない」 「留維は留奈ちゃんが余りにも綺麗だから…テレてるのよ」 「そうなの?お父さん」 「余計なコトを言うな。千紘」 お父さんの顔がみるみる赤くなっていく。 お継母さんの言葉は図星だった。 「私も当日に言いたいコト言うね」 私は男性マネキンが着ているタキシードに触れる。私と同じ純白にタキシード。 捺さんはこれを着るのね・・・
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