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「衣装はお父さんが縫います!!」
「!?」
捺さんは瞳を円くして私を見つめる。
「結婚は一生に一度のコト。私のウエディングドレスはお父さんがデザインし、縫う約束をしていたんです」
それは幼い頃からの夢だった。
元はデザイナーだったお父さん。
幼い時の洋服はほとんどお父さんがデザインし、縫った服ばかり。
「と言うワケだ。支配人。後はカフェでお茶して帰る。綿密な打ち合わせは後日に」
「承知しました。桐生社長」
私達の支配人は2階のフロアで別れた。
2階のフロアにあるカフェに入り、休憩する。
「藤ヶ谷社長はデザイナーとしても有名だからな。しかし、挙式には間に合うのか?」
「デザインも決まっているし、採寸も終わっていますから・・・」
「じゃついでだから・・・俺のタキシードも頼む」
「そう言われても・・・先に採寸しないと」
「採寸か・・・分かった。明日にでもお前の邸宅に行く。しかし、花嫁の父が縫う衣装で挙式とは…今までにない式になりそうだな」
捺さんは軽く笑い、頬杖を付いた。
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