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一度溢れてしまえば、溜まりに溜まった分、押さえがきかない。
「おれ、すき、だ、あんたが、好っ」
今更と笑われてもおかしくない告白だけれど。ソファーにしがみ付いている秋吉からは桂の顔は見えない。それでも、泣きそうな顔で笑ったような気がした。
その後は、半ば朦朧としていた。
手加減なく揺らされて、奥の奥まで貪られて、声が枯れるほどに鳴かされた。身体の最奥で桂の熱を受け止めた時には、秋吉自身も弾け、そのまま意識を失ってしまった。
気付いた時には、獣の目が嘘のように穏やかな笑みの桂に見つめられていて、ぼんやりと思う。
――やっぱ、思った事なんて全部言うべきじゃないな。
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