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裕福そうな家、明るい照明。
のんきに犬なんか散歩させやかって。
あいつは俺と違って幸福なのか。あんな―――力を持っていて。
母親だって怯えている俺の力。
彼は何故学校にまで来たのだろう。
―――間違っている、力はそんなふうに使うもんじゃない―――
警告? 忠告? まさか……心配して?
仲間だから?
(仲間)
そうだ、あいつは俺を怖かっていなかった。俺の力にも対抗できる。俺はあいつを潰せない。
千朗は立ち上がった。
あいつに会いにゆこう。あいつなら俺の力をどうにかできるかもしれない。
会って、話を―――
「………岡本千朗くん?゜」
その時、背後から声がかかった。弾かれたように振り向くと、背広を手にした男が立っている。
「やあ」
「……刑事さん」
それは千朗を事情聴取し、その後花壇で話をした刑事だった。広い額に汗を浮かべて穏や
かな顔で見下ろしている。
千朗は糸の切れた操り人形のように、椅子に腰を落とした。
「探したよ。今日はさぼりかい?」
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