第20章

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 刑事は出口に向かう千朗の後についてきた。 「呪いだの祟りだの、そんなことを言う子もいてね……」  薄暗いゲームセンターから出ると初夏の日ざしが真上から降り注ぐ。一瞬、くらりと眩暈がした。 「あ、岡本くん。大丈夫か?」  よろけそうになった体を刑事が支えてくれた。顔を覗き込んで驚く。 「どうしたんだ。汗びっしょりだ」 「………」  頭は空白状態だ。ぼんやりと見返す千朗に刑事はハンカチを差し出した。 「ほら、汗拭きなさい」  千朗はハンカチを見つめた。 「刑事さん……」  え?」  言ってしまいたいような気もする。自分がやったのだと。人も学校も自分が潰した。ただ念じただけで。  念じただけで俺は人を殺す。殺せる。殺してしまう。  信じるか? 信じるわけない。  ……信じるわけがない。  この人は刑事にしてはいい人そうだけど。おとうさんと同じ煙草を吸っているけど。 「刑事さん」 「なんだね?」 「呪いとか祟りとか……信じてるの?」 「まさか」  刑事は苦笑した。
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