衆議院議長 比留間 貫太郎

2/20
前へ
/548ページ
次へ
『ワタシハ スベテシッテイル アノコトヲ スベテ』 俺宛に、この内容の封筒が届いた。差出人名は、書いていない。 なんのことだ。 何を知っているんだ。 あのこととは、いったいなんのことだ。 誰が、送ってきたんだ。 俺は、仕事柄、表には出せないことは、いくつかはしてきた。それは、自覚している。 初当選の時は、高い志と清い心を持っていたが、数年もすぎれば、周りを蹴落とすことにしか、頭がまわらなくなっていた。 ありもしないことをでっち上げ、脅したりもしてきたことは何度かある。そのための帳尻合わせや、口裏合わせは完璧にしてきた。 金はだいぶ使ったがな。 しかし、俺がいないと、我が政党は与党から野党になってしまう。だから、必要なことだったんだ。
/548ページ

最初のコメントを投稿しよう!

238人が本棚に入れています
本棚に追加