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「ボク、中学生?」
ボーイッシュの男は、俺に下卑た笑みを浮かべながら、蛇のように睨みを効かせてきた。
無意識に両足が震える。
「ねーねーボクゥ!!お兄ちゃん達、お金が無くて困ってるんだわ」
カツアゲだ。怖い……俺は震えた手でポケットから財布を取り出す。
助けを求めようにも、この日没間近の暗い路地。
叫んだとしても無駄だろう。
「おら、さっさと出せや!」
ボーズ頭の男はいきなり、俺の腹を一発殴る。
「あ…ああ…」
突然の激痛に体が地面に横たわる。
「ユタカちゃん、ボクちゃんにちょっと厳しくない?」
ボーイッシュの男がボーズ男に微笑みかけた。
どうやらボーズ頭の男はユタカというらしい。でも、今の俺にそんな事はどうでもいい。
「ミツル君……ボクがもってる袋気にならない?」
「ですよね?みちゃいましょー!!」
ユタカの問いかけにミツルが子供のように微笑んだ。
俺は能力学園アイの本を服の中へ入れて亀状態になった。
「ヒミツー!ヒミツー!!君のヒミツーはなぁに~!?」
ユタカとミツルは、容姿なく俺の背中を蹴りまくる。
鈍い音の連続して響く……なんで俺がこんな目に…。
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