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その後、俺は薄れゆく意識の中で一人の男がミツルとユタカと対峙していた。
金髪の男…鋭い目だがどこか優しそうな顔の人だ。
そこから意識が飛んだ。
「……お前、大丈夫か?」
気がついたら、見知らぬ男の声が眠りを妨げた。……それにしても誰の声だ?
はゆっくりと目を開けると辺りは路地ではなく、公園のベンチで俺はあおむけになっていた。少し近くで金髪の男が俺を見ている。
「あなたが助けてくれたんですか?」
俺は唇を動かす度に違和感を感じた。
鉄分が口の中に広がっている。
どうやら、唇が切れたようだ。
「ああ、さすがに見て見ぬふりは出来ねーからよ」
「ありがとう…ッ」
俺は何故か涙が流れる……。それは自分の無力に失望した涙か男の優しい行動に心を打たれたのかはわからない。
ただ、涙が頬を流れるのであった。
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