1512人が本棚に入れています
本棚に追加
「男のくせに泣くなよ。みっともねーぞ!ほら、その情けない顔洗ってこい」
「あ、ああ」
言葉使いは乱暴でも、彼は彼なりの心遣いをしてくれているようだ。
俺は近くの蛇口をひねり、その水で顔を洗った。
痛い…しみる。
悔しい。
深く考えるのはやめよう。どうせ俺は弱いんだからな。
「はいよ。スポーツドリンクでいいか?」
金髪の男は、優しい事にジュースを買ってきていてくれた。
バカヤロー…また泣きたくなるよ。
俺は、泣きたいのをグッとこらえる。
「自己紹介がまだだったな!俺は赤峰真也(あかみねしんや)さ。」
「俺は井上信二(いのうえしんじ)助けてくれてありがとう」
互いに名前を名乗り自己紹介を始めた。
「う、うさいわい!別に感謝される事なんかしてねぇよ。俺がそうしたいからやっただけ」
真也は何故か視線を逸らしながらもそう言った。
「俺、南中学校の3年なんだ」
「南中……ああ、街の近くの中学か」
真也と俺はベンチに座り、話しをした。
小一時間くらいだろうか、イジメられている事…不登校の事…学校、親などなど。
彼は、黙って聞いてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!