16  もぉ、ドッキドキ!

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「新居は、わざわざ見付けなくてもいいんじゃないかな」 この俺の反応に、一瞬、その場が静まり返った。 そしてもちろん俺も、瞬時に「しまった」と思った。 だが、もう遅かった。 そして、目の前の母が低く言う。 「潤平。それ、どういう事?」 ヤバい。 母が怒りを蓄え始めた証拠に、小鼻が微妙に膨らんでくる。 そして、 「あんた、同棲なんて半分もしてないとか言ってたくせに やっぱり、つぐみさんと一緒に住んでるってわけ?」 「いや、だから、一緒に住んでるったって……」 ところが、俺の言い訳の途中で、 母が、すうーっと俺の前に膝を進めてきたと思った途端、 いきなり俺の横面に母のビンタがさく裂した。 「この、バカ息子っ!」
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