27人が本棚に入れています
本棚に追加
「どういう事?」
彼女の眉根が、心配そうに小さく寄せられた。
そして、今度、視線を落としたのは俺だった。
「実は、この前話した事、つぐみ以外の誰にも話してないんだ。
もちろん、俺の家族も知らない。
でも、もし結婚なんてことになったら、
絶対にウチの女連中が、子供、子供って騒ぎだすに決まってる」
「でもそれは、私が、子育てに不安があるって言えば……」
うん……。
頷きながら、「ありがとう」と心の中で彼女に感謝した。
だが、この一週間、俺が頭を悩ませていた本当の事は、
こんなウチの家族の事なんかじゃない。
「でも何より……。やっぱりさ、男だって女だって、
好きな人のことを好きになればなるほど、
相手の全部が欲しいって思うのが本当だと思うんだ」
最初のコメントを投稿しよう!