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だからこそ、最愛の人とは身も心も繋がりたいと願い、
そうなれた時は、至福の思いを味わうのだろう。
「実際、俺だって、つぐみを抱きしめてキスできて、
あんなに幸せなんだから、もっともっとって思うよ」
だが現実は、ドキドキと胸をときめかせて彼女に触れても、
俺の体は何も反応しない。
「それでさ、思ったんだよ。
子供云々は除いても、最愛の人に最高の至福を与えられない。
そんな俺が、つぐみを『結婚』っていう形で縛って、
繋ぎ止めていいのかなってさ」
これは、まだ解決という答えが見付けられていない俺の本音。
そして、
「でも私は、潤ちゃんと一緒にいられるだけで、すごく幸せよ」
そう言ってくれる彼女の気持ちは、嬉しかった。
だが、そう言わせてしまう自分の現状が、男として情けなさ過ぎて
それを、俺自身がどうにも受け止めきれていない。
しかしヘタレな俺は、その事を口に出来なかった。
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