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「ありがとう。そう言ってくれて、俺も嬉しいよ。
でもさ、俺なんかが相手じゃなければ、つぐみはもっと……」
ところが、俺が言い終わる前に、彼女の鋭い声がそれを遮った。
「嫌ですっ!」
あまりにも大きな彼女の声に、俺は思わず視線を上げた。
すると目の前では、いっぱいの涙を溜めた彼女の目が、
真っ直ぐに俺を見つめている。
「私は……、私は、潤ちゃんに出会えたから、初めて恋が出来たんです。
こんなに変でドジな私を、潤ちゃんが好きになってくれたから、
私は、今まで考えもしなくて、諦めてもいた幸せを味わえたんです。
だから、潤ちゃん以外の人と、これ以上の幸せになんかなれない」
言いながら、彼女の目からは、再びポロポロと涙が溢れてきた。
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