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「だから、もし潤ちゃんがセックスできないなら結婚できないっていうなら、
結婚なんかしなくてもいい。
セックスしないと私たちが続かないなら、
私、潤ちゃんのために何でもします。
でも、でも、別れるのだけは嫌。嫌なんです」
どんどん溢れてくる涙を流しながら、必死の面持ちで言う彼女に
俺の胸も締め付けられた。
それだけに、俺の中の葛藤も強くなる。
だから、
「つぐみ、本当に俺でいいの?」
目の前の彼女は、子供のようにコクンと頷いた。
だがそれでも俺は、やはりほんの少しだけ躊躇った。
しかし、真っ直ぐに向けられる彼女の目と溢れる涙に、
やっぱり自然と言葉が口を突いた。
「つぐみ、結婚しよう」
言った途端に、本当に「うわぁーん」と声を上げた彼女が、
俺の胸に飛び込んでくる。
そんな彼女に、なんだかさっきとは別の意味で一杯いっぱいになった。
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