15  ええいっ、もぉ!  (続き)

6/6
前へ
/37ページ
次へ
そして、ぶつかるように飛び込んできた彼女を受け止め、 俺は柄にもなく思った。 彼女が、俺の存在だけで幸せならば、いくらだって傍に居よう。 俺が、最愛の彼女に最高の至福をあげられないなら、 二番目の幸せだけは、何があっても、どんな時でもあげよう。 そして、いつか彼女が俺のあげられない最高の至福を求めたなら、 喜んで俺は、彼女から離れよう。 子供のように俺の腕の中で泣きじゃくる彼女が、 本当に愛しいと心から思った。 素直で、無邪気で、ちょっとぶっ飛んだ不思議ちゃんな彼女を ヘタレながら精一杯に幸せにしよう。 そう思った俺の心に、なんとも言えない熱いものが込み上げてくる。 だから、彼女を少しだけ強く抱きしめ、俺は心の中で誓った。 つぐみ、俺たち、愛の有る家族になろうな。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加