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「えっと。
別にいいよ。
近いし」
「あのなー」
ガシガシとあたまを掻いた相原くんが、凄い勢いで三歩の距離を詰めてきた。
「俺が!嫌なの!」
「なんで?」
私の首が傾くと同時に、はぁーっと大きなため息が相原くんの口から落ちた。
「……原田が好きだから、なんかあったら困るっつーの」
「えーっと?」
ぼそぼそと呟くように云った相原くんが、ちらりと私の顔を窺う。
……もしかして、いま、好きとか云いましたか?
理解した途端、あたまが音を立てて爆発した。
黙ってしまった私に、赤くなってる相原くんがさらに追い打ちをかける。
「俺は原田が好きだから」
何度口をぱくぱくさせたって、出るはずの言葉は出てこない。
心臓が暴走して壊れそう。
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