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それでも深呼吸を繰り返し、どうにか言葉を絞り出す。
「……私も、相原くんが、……好き、だよ」
俯いていた顔を上げてみえたのは、満月をバックに嬉しそうな相原くんの笑顔。
私も嬉しくて笑ってた。
「……手、つないでいい?」
「……うん」
そっと相原くんの手が私の手を掴む。
ほんの少しの距離だけど、とってもとっても嬉しかった。
「じゃあ、また明日、学校で」
「うん。学校で」
別れ際、まわりを見渡した相原くんは私のおでこに……キス、した。
「ただいまー」
「おかえりー、……ってなんかあったの?」
「なにも」
怪訝そうなお姉ちゃんを無視して、こたつに潜ってアイスを食べる。
火照った身体に冷たいアイスは心地よかったけど、残念なことに味はあまりわからなかった。
【終】
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