アプリの世界と現実世界との狭間

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「どうでもいいけど、一体いつになったら戻れるんだ!」 奥田がいきなり怒鳴りだした。 確かに、黒うさぎが死んでから1時間は過ぎている。 十和子さんはまだ全員が一緒に戻れる様にする事が出来ないのか。 「十和子さんも頑張ってくれているんだ。 もう少し待て!」 奥田が怒鳴るから、俺までイライラしてきた。 今、アプリの世界で生きているのは俺とカッキー先生だけ。 死んでしまった人達が不安なのはわかるけど、それは俺とカッキー先生も一緒だ。 このまま一生アプリの中から出られなかったら……生きているのが2人だけの世界で一生暮らすなんて悲しすぎる。 それに、魂になっても現実世界の自分が死ぬまでアプリの中に閉じ込められるのだ。 アプリの世界は現実世界の何倍も早いスピードで時間が進んでいく。
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