アプリの世界と現実世界との狭間

102/121
前へ
/426ページ
次へ
もしこのまま何年も戻れなかったら……この世界で60才になった時、現実世界の20才の身体に戻っても違和感ありありだ。 十和子さん頼む、頑張ってくれ! 「みんな、十和子さんを信じようよ。 本当なら、私たちは死んでいるんだから、こうやって話す事なんて出来ないんだよ。 十和子さんのおかげで話す事が出来るんだから、後は信じて待とうよ」 蘭子が落ち着いた声でみんなに語りかける。 「蘭子ちゃんの言う通りだ。 俺たちに出来る事は何もない。 それなら怒鳴りあうよりのんびり待とうぜ」 酒井が蘭子を助けてくれる。 もし十和子さんに、消えた生徒は戻せないと言われたら、俺は遺体がある生徒だけでも現実世界に戻したいと思う。 早くしないと、今は遺体があってもそのうち消えてしまうだろう。
/426ページ

最初のコメントを投稿しよう!

249人が本棚に入れています
本棚に追加