アプリの世界と現実世界との狭間

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こんな事を考えてはいけないと思いつつ、どんどん時間だけが過ぎていく恐怖に怯えていた。 今まで怒鳴り声が響いていたのに、いつの間にか誰も話さなくなった。 きっとみんなも不安で怯えているのだろう。 十和子さん、急いでくれ! 頭の中はその事でいっぱいだ。 どれ程時間が過ぎたのだろう、アプリに俺宛に十和子さんからのメッセージが届いた。 直接俺に話しかけたらいいのにどうしてメッセージなんだろう。 嫌な予感がして声を出さずに静かにメッセージを開いた。 『待たせてごめんなさい。 何度も設定を弄ってみたんだけど……消えた人を現実世界に戻す事は難しいみたい。 無理に戻そうとすると、アプリの世界の記憶が消えてしまうと思う。 それでもいいかしら?』
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