アプリの世界と現実世界との狭間

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俺はここにだれがいるのかわからないけど、声をかかけた。 頭が熱くなると同時に意識がどんどんと薄れていくのがわかる。 これで現実世界に戻れる…… 俺は蘭子の事だけを考えながら意識を手放した。 ーーーーー 「健一、起きて!」 俺を呼ぶ声が耳元で聞こえてくる。 ゆっくりと目を開くと、目の前に蘭子がいた。 蘭子は俺と目が合うと、ほっとした顔で俺を見ている。 俺はすぐに状況が出来なくて、頭を動かしながら教室をくるくると見回す。 全員がぼーっとしている様に見える。 「健一、何も覚えてないの?」 ……確か、俺はアプリの中にいた、それから、十和子さんが……そうだ、現実世界に戻る為にデスゲームをしたんだ。
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