アプリの世界と現実世界との狭間

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「いや、覚えている。 俺たち、現実世界に戻ってきたのか?」 蘭子の顔を見ると、蘭子は複雑そうな表情をしている。 「現実世界なんだけど……みんな何も覚えてないみたいなの。 健一はアプリの世界の事を覚えているんだよね? あれは夢じゃないのに」 蘭子はみんながアプリの世界の記憶を失くしている事で混乱しているようだ。 蘭子と話しているうちに、俺の記憶は完全に戻ってきた。 やはり遺体が消えた生徒の記憶は消えてしまった。 「蘭子、落ち着いて聞いてくれ。 今、アプリの世界の記憶があるのは俺と蘭子と武だけだ。 遺体が消えた生徒はアプリの世界の記憶は残っていない」 「そんな……だから、沙里ちゃんも覚えてないのね」
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