249人が本棚に入れています
本棚に追加
「もっと期待した?」
「もう、健一ったら!」
蘭子は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
その態度も可愛くて、蘭子が好きなんだと実感する。
「お二人さん、ラブラブなのはわかるけど、そろそろ現実を見て欲しいっていうか……」
後ろから武の声が聞こえてきて、思わず苦笑いをした。
蘭子は赤い顔をさらに赤くして、俺の後ろに隠れている。
「武も記憶が残ったんだな。 良かった」
「俺はいいけど、みんなは混乱しているぞ」
俺は自分と蘭子の事しか考えてなかった。 記憶を失くしたみんなの事を考えなくては。
「わかった。 先に十和子さんと話してくるよ」
俺はすぐに十和子さんを探しに教室を出て体育館に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!