249人が本棚に入れています
本棚に追加
「健一、助けてー」
俺が教室に入った途端、蘭子が俺の方に走ってくる。
「どうした?」
「みんな記憶が夏休みの前日までしかなくて混乱してるの」
「赤井、お前はどうして俺たちの記憶がないか知ってるのか?」
市川が俺の胸ぐらを掴み、威圧的に聞いてくる。
「俺もほとんど覚えてないんだ。 夏休みが始まって
パソコンの特別授業があった日くらいまでは覚えているんだけど、その後の記憶が抜けてる。
今、カッキー先生に聞きに言ってたところだよ」
俺は市川の手をカッターシャツから離して、打ち合わせ通りに説明した。
「パソコンの特別授業? そんな事を覚えてるやつはいない。 みんな夏休みの前日の記憶しかないんだぞ」
最初のコメントを投稿しよう!