アプリの世界と現実世界との狭間

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「市川君、それにみんな聞いて欲しい」 カッキー先生がみんなに大きな声で呼びかけた。 隣には十和子さんがいる。 「その人は誰ですか?」 「友達の十和子さんだ。 パソコンに詳しい十和子さんに来てもらって原因を調べていたんだよ。 みんな、記憶がないって本当なんだよね? 夏休みが始まってから人が変わった様だったから、親御さんも我々教師も心配してて……もしかして、元に戻ったの?」 さすがカッキー先生。 芝居が上手い。 「記憶がない間、人が変わった様になっていたなんて……なんだか怖いです」 「意味がわかりません。 私の中に私じゃない誰かが入っていたとでもいうんですか?」 沙里ちゃんと矢田さんが困った顔をしている。
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