アプリの世界と現実世界との狭間

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「つまり、十和子さんが作ったカッキー学園アプリのせいで俺たちがおかしくなったあげく、記憶がなくなった?」 津田が十和子さんに確認する。 「そういう事になると思う。 本当にごめんなさい」 「そんな馬鹿な事があるはずないだろ。 ただの偶然だよ」 酒井がみんなに同意を求めようとしたけど、みんな酒井をチラチラ見ながらも何も言わなかった。 「アプリが脳に影響を与える、あり得ない話ではないですが、証明は出来ないと思います。 とにかく、記憶はなくなりましたが自分の人格に戻れて良かったです」 冷静に話している沙里ちゃんを見て、沙里ちゃんらしいなと思う。 「確かにこんな事を証明出来るはずないよな。 十和子さん、また俺たちが変になる可能性はあるのか?」 「絶対とは言い切れませんが、99.9パーセントありません。 ただ、原因はまだ解明出来ていないので、私は引き続き調べてみます」 伊藤が聞くと、十和子さんは丁寧に答えている。
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