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クタッっとなって横たわる楓にキスをした。
楓は意識が飛んでしまったのか目を開けなかった。
汗で張り付いた前髪をかきあげ、額にキスをしてベッドから下りた。
シャワーを浴びてため息をつく。
…やっちまった。
本来、仕事が終了した後の性行為は御法度だ。
要は証拠となる瞬間さえ撮れれば、その後の行為は必要ないからだ。
それに、あまり別れた後の相手と接すれば期間が長ければ長かっただけ、情が移る可能性もあるから。
【別れさせ屋】の規則のひとつ。
━恋愛禁止━
特定の相手が出来た時は即座に辞職をしなければならない。
まして、その依頼主の相手となれば即クビがとぶ。
楓の場合、恋愛ではないからセーフか?
まぁ。いずれにせよ楓とは今日限りで会う事はない。
昼には引っ越すから迅速な対応だと認められるだろうし。
身体を重ねたばかりなのに自分の仕事を考える俺は、血も涙もない冷酷な奴だ。
楓には悪いと思ってる。
だけど、俺は清一さんを裏切る事は出来ないし離れる事も出来ない。
寝室に向かい寝ている楓の身体を綺麗に拭きながら、楓が前に進んでくれる事を願った。
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