暫く、赤石稔です。

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「結構、長く付き合ってるの?」 『1年半位ですかね。』 「へぇ~。結構、長いね。」 『そうですか?短い方だと思ってたんですけど。』 「だって男同士ってあんまり続いてるの聞いたこと無いよ?まぁ。そんな人ばっかりじゃないけどさ。そう考えれば愛されてるんじゃない?楓君。」 お互いチビチビ呑みながら話をする。 『そうなんですかねぇ。僕、カミングアウトしてないし。誰にも相談出来ないんですよね。』 「そっかぁ。そりゃあ、一人で考えちゃうよね。あぁ。じゃあ、あれか。今の彼が初めて付き合った相手って事か。」 『はい。実はそうなんですよねぇ。中学生位の時に自分の性癖には気付いたんですけどね。好きになるのはいつも男で。僕、おかしいのかなぁとか考えながら高校卒業して。2年位前に彼に出逢って。半年間は友達みたいな関係だったんですけど、彼から告白されて付き合う様になったんです。だから、男同士のセックスとか全部彼に教えられた感じです。』 誰かにカミングアウトしたのが心を緩ませたのか依頼主との事を話し始めた。 「楓君。連絡先、交換しよっか。」 『えっ…』 「相談のるよ。誰かに聞いてもらえるのって気持ち的に楽になるだろ?俺、楓君ほっとけないし。何かあったらいつでも連絡してよ。」 ポケットからスマホを取り出した。 『は、はい!』 林田楓も嬉しそうにスマホを取り出した。
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