暫く、赤石稔です。

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「楓っと。これでよしっ。」 スマホに連絡先を入れる真似をする。 もう既に入れてあるからだ。 『じゃあ、僕も。赤石…』 「稔でいいよ。俺も楓って呼ぶし。その方が親近感わかない?」 スマホから俺に視線をやる楓。 『あっ。じゃあ、稔さんで。』 「ん。じゃあ、それで。楓さ。別に相談なくても連絡してね。たまにはこうやって一緒に呑もうよ。俺も呑み友達とか欲しいし。あっ。でも、彼に怒られちゃうか。」 スマホを仕舞いながら言う。 『いえ。全然、大丈夫ですよ。彼にはあっちから連絡来た時しか会いませんし。何か仕事が忙しいみたいで。こっちからの連絡には出れないんですよ。それに、僕達呑み友達でしょ?』 ニッコリ笑う楓に俺もニッコリ笑い返す。 「何かさ。やっぱり、その笑顔。癒されるから好きだな。楓はいつも笑ってなよ。」 『そんな真面目に言われたら…照れます。でも、ありがとうございます。稔さんに言われたら、笑顔で居ようって素直に思えます。僕も好きですよ。稔さんの笑顔。格好いいし。』 「さすが、接客業の人は口が上手いね。騙されちゃいそう。」 『なっ!何言ってるんですか!本当に僕は…』 「嘘ウソ。照れ隠しだから。面と向かって言われると恥ずかしいし。」 『それはこっちの台詞ですよ。稔さん、平気で言いますし。恥ずかし過ぎます。』 「じゃ、お互い様だね。」 笑って言うと、ですね。と楓も笑った。
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