138人が本棚に入れています
本棚に追加
『えっ?僕、辛そうに見える?好きな彼とラブラブだから幸せなんだけどな。』
おどけて見せるその笑顔すら、俺には苦しそうに見えて。
「楓って、見た目と違って強いよね。」
『それって何かバカにされてる?』
「まさか。誉めてるんだよ。だってさ、見た感じはおっとりして可愛い感じでさ。それなのに、芯は強い。一本筋が通ってるっていうのかな。ん。楓は強いよ。」
楓の頭をグシャグシャ撫でた。
『っちょっと!髪、ぐちゃぐちゃ!』
「可愛いな。楓。」
今までに無い感情を覚えた。
「今度さ。俺の家に呑みに来る?ゆっくり呑めるよ?」
『あー。それはやめとく。』
「何で?」
『だってさ。これでも一応、恋人持ちですから。稔さんは呑み友達だけど、変な誤解されるのも嫌じゃない?お互いやましい気持ちは無くてもさ、僕も稔さんもアレじゃん。せっかく呑み友達になれたのに離れたくないし。』
…本当、真面目で良い奴。
「呑み友達じゃなくて恋人になりたかったな。楓と。」
『またまたぁ。すぐにそう言う事言うんだから。絶対あれだよね?ホストに向いてるよね。稔さんって。』
冗談混じりに言って笑う楓。
「じゃあ、楓専門のホストで。いつも俺を指名してね。」
ニッコリ笑うと楓は笑いながら頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!