暫く、赤石稔です。

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『えっ?僕、辛そうに見える?好きな彼とラブラブだから幸せなんだけどな。』 おどけて見せるその笑顔すら、俺には苦しそうに見えて。 「楓って、見た目と違って強いよね。」 『それって何かバカにされてる?』 「まさか。誉めてるんだよ。だってさ、見た感じはおっとりして可愛い感じでさ。それなのに、芯は強い。一本筋が通ってるっていうのかな。ん。楓は強いよ。」 楓の頭をグシャグシャ撫でた。 『っちょっと!髪、ぐちゃぐちゃ!』 「可愛いな。楓。」 今までに無い感情を覚えた。 「今度さ。俺の家に呑みに来る?ゆっくり呑めるよ?」 『あー。それはやめとく。』 「何で?」 『だってさ。これでも一応、恋人持ちですから。稔さんは呑み友達だけど、変な誤解されるのも嫌じゃない?お互いやましい気持ちは無くてもさ、僕も稔さんもアレじゃん。せっかく呑み友達になれたのに離れたくないし。』 …本当、真面目で良い奴。 「呑み友達じゃなくて恋人になりたかったな。楓と。」 『またまたぁ。すぐにそう言う事言うんだから。絶対あれだよね?ホストに向いてるよね。稔さんって。』 冗談混じりに言って笑う楓。 「じゃあ、楓専門のホストで。いつも俺を指名してね。」 ニッコリ笑うと楓は笑いながら頷いた。
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