暫く、赤石稔です。

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社長は、今まで依頼主のそんなワガママ聞くような事しなかったはずだけど。 あまり横暴な依頼に関しては、途中であっても断る事もしていた。 まず、最初の契約で期間的な事も話がしてあるはずで。 直ぐにでも別れたいって依頼には、それこそ1週間やそこらで終わらせたりする。 期間を設けない依頼には、その相手の性格や行動等を分析したうえで依頼主の方に、この位の期間を頂きますとこちらが提示する。 今回のこの件は、期間が設定されていなかった。 社長も何も言わなかったし。 それが、今になって早くしろとか。 俺には俺のやり方がある訳で。 そう言うの社長は分かってるはずなのに。 社長が何を考えてるのか分からない。 クソッ! 何とも言えない歯痒さを何処にあたれる筈もなく。 片手に握っていた缶ビールをグシャっと潰していた。 さっき投げ置きしたスマホを手にメールをタップする。 アドレスから明奈さんを探し、本文を入力する。 [お疲れ様です。来週の水曜日、撮影お願いします。抱き締めてキスする瞬間になりますので。場所は後で地図データ送ります。] 送信。 暫くしてから返信メール。 [了解。可愛い瞬間ね。楽しみにしとくわ。] メールを読んでから、今度は楓のLINEを開く。 [楓。もう寝たかな?] [まだ起きてるよ。今、シャワーを浴びて出てきたところ。] [楓のヌード、見てみたいな。笑] [稔さん、変態~。笑] [来週の水曜日。また、一緒に呑もうね。] [逆指名?] フッと笑う。  
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