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『稔さん、僕の話聞く気無いでしょ!』
相変わらず頬を膨らませハムスターみたいになって、怒る楓。
「聞くよ。可愛い楓の話だし。はい。話して~。」
笑って言う。
『…話に入りにくいし…。』
ブツブツ文句を言う楓の頭を軽く撫でる。
「ごめん、ごめん。からかい過ぎた。楓が可愛いから。話してみて。大丈夫。退かないから。」
楓の頭から手を離した。
『ん。実はね。初めて稔さんを見たとき、ドキッってしたんだ。』
グラスに視線をやり指でグラスを弄りながら、微笑んで話し出す楓。
『僕のね。ドストライク。好きなタイプそのままで驚いた。顔もそうだけど。髪型も髪の色も。体格もファッションも。全部が僕の理想にピッタリでさ。話してみたら優しい口調だし。もう。何て言うの?嵌まりすぎて。彼と付き合ってなかったら、暴走してたんじゃないかって位。でも、呑み友達になれて良かったって思う。だって恋人になったらさ。考えたくはないけど、少なからず別れとかあるかもしれないでしょ?不安とか嫉妬とかさ。嫌な感情持ったりしてさ。でも、呑み友達だったらずっと一緒に居れるから。だから、稔さんと呑み友達になれて本当、嬉しいんだよね。退いた?』
グラスから俺に視線を向けて少し不安そうに眉を下げ微笑む楓。
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