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「…じゃあ、何で泣くの?」
まだ彼を好きだからだろ?
『…何でだろ…何でかな?』
おいおい。天然もここまでくれば…
「何でって…楓さぁ~。俺、凄く心配してんだけど。」
『…ごめん…でも、何か…何だろう。稔さんに話したら、スッキリして…あれ?』
「…もう。本当、楓って…」
可愛い楓。
こういう所、好きだ。
笑って楓を見ると涙目で笑ってた。
「よしっ。まだ早いけど呑む?」
『ん。呑んで忘れるっ!』
コンビニで大量にお酒とツマミを買い込んで宅呑みをする事に。
「楓。先に言っとくけど、明日は楓も仕事だし俺も忙しいからね。少し加減して呑みなよ?」
『分かってるって。ちゃんと帰ります。』
頬を膨らます楓に笑いながら酎ハイを手渡す。
『あれだよ。絶対、他に好きな人居たんだよ!じゃなきゃ、ちゃんと僕の目見て好きだって言うよね?!』
ここにきて、今までの不満が爆発したらしい楓。
次々と彼への不満が出てくる。
『こうなる事を待ってたんだよ!きっと!』
『ハッキリ言えばいいのにさ!やり方が男らしくないよね?!どう思う?稔さん!』
ハハッ。参った。
かなり溜まってたな。
「まぁねぇ。やり方は卑怯だよねぇ。でもさ、面と向かって言えなかったのは楓が一途だったからじゃない?不満も言わないし会いたい時には会ってくれる訳だし。彼もさ、苦渋の決断だったかもしれないよ?」
依頼してくる位だし。
楓を切るに切れなかったんだろう。
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