暫く、赤石稔です。

36/42
前へ
/166ページ
次へ
「…じゃあ、何で泣くの?」 まだ彼を好きだからだろ? 『…何でだろ…何でかな?』 おいおい。天然もここまでくれば… 「何でって…楓さぁ~。俺、凄く心配してんだけど。」 『…ごめん…でも、何か…何だろう。稔さんに話したら、スッキリして…あれ?』 「…もう。本当、楓って…」 可愛い楓。 こういう所、好きだ。 笑って楓を見ると涙目で笑ってた。 「よしっ。まだ早いけど呑む?」 『ん。呑んで忘れるっ!』 コンビニで大量にお酒とツマミを買い込んで宅呑みをする事に。 「楓。先に言っとくけど、明日は楓も仕事だし俺も忙しいからね。少し加減して呑みなよ?」 『分かってるって。ちゃんと帰ります。』 頬を膨らます楓に笑いながら酎ハイを手渡す。 『あれだよ。絶対、他に好きな人居たんだよ!じゃなきゃ、ちゃんと僕の目見て好きだって言うよね?!』 ここにきて、今までの不満が爆発したらしい楓。 次々と彼への不満が出てくる。 『こうなる事を待ってたんだよ!きっと!』 『ハッキリ言えばいいのにさ!やり方が男らしくないよね?!どう思う?稔さん!』 ハハッ。参った。 かなり溜まってたな。 「まぁねぇ。やり方は卑怯だよねぇ。でもさ、面と向かって言えなかったのは楓が一途だったからじゃない?不満も言わないし会いたい時には会ってくれる訳だし。彼もさ、苦渋の決断だったかもしれないよ?」 依頼してくる位だし。 楓を切るに切れなかったんだろう。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

138人が本棚に入れています
本棚に追加