138人が本棚に入れています
本棚に追加
浴びるように呑むとはまさにこのことだろう。
家にある酒類を全て呑んでも酔わなくて、しまいにはコンビニで大量に買い込む始末。
何も考えたくなくて、ひたすら一人で呑んだ。
だけど、疲れもたまっていたのだろう。
いつの間にか寝ていた。
今まで体験した事のない程の頭痛で目が覚めた。
起き上がるのもフラフラで。
辺りを見渡せば酒の瓶や缶があちらこちらに散らばっていた。
何も食べてなかったせいか胃も痛い。
何とか立ち上がりキッチンへ向かった。
冷蔵庫から水を取り出し乾いた喉へ流し込んだ。
それにしても頭が痛い。
薬箱を探し頭痛薬を取り出し飲んだ。
片付けもせずソファーに深く凭れ座り目を瞑る。
これからどうしようか。
そんな事が頭を過る。
あの時、清一さんに出逢わなければ俺はきっと親の敷いたレールに乗っかっていたのだろうか。
自棄になり何もかも分からなくなったあの人生の分岐点で、清一さんに出逢った。
どこまでが自分の人生で、どこまでが与えられた人生なのかすら見えなかったあの頃。
清一さんに拾われた俺は、清一さんが魅力的に見えた。
こんな人生、歩む人も居るんだと思った。
尊敬してた。
最初のコメントを投稿しよう!