神谷君、辞めていただきます。

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痛む頭を抱えながら、考えるのは清一さんの事ばかりで。 この先、どうしようかとか何をするべきなのかとか全く考えられなかった。 この日だけでは無い。 それから何日も同じ様な状態で。 酒に逃げては酷い頭痛と共に清一さんの事を考える。 もう、何日目だろうか。 日にちの感覚さえなくなってきた。 こんな事になるなら、清一さんと出逢わずつまらない人生だろうが親のレールに乗っかっとけばよかったのかもしれない。 そしたら、普通に弁護士になって普通に恋愛をして結婚して。 子供なんか出来て普通の幸せな人生を歩んでいたんじゃないだろうか。 だけどあの時、清一さんの手を取ったのは自分。 迷いは無かった。 ずっとこの人に着いて行こうと決めたのは自分なんだ。 清一さんは、あの時何故俺を誘ったのだろう。 人生に迷い自棄になっていた俺が哀れに見えたのだろうか。 今になっては、そんな事分かる筈もないのだけれど。 こんな事にならないと、そんな事すら考えなかった自分の愚かさを感じる。 清一さんに怒りを感じるのはお門違い。 自業自得ってやつだ。 何を考えても結局辿り着く答えは、俺が悪いって事だけだった。 もう、いい加減諦めよう。 そこまで気持ちを持っていくのに10日間も経っていたのだと気付いたのは、久しぶりにつけたテレビでだった。
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