神谷君、辞めていただきます。

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気持ちを切り替える為に、まずカーテンを開け全ての窓を開け広げた。 淀んだ室内の空気が一気に出ていく気がする。 溜まった洗濯物を洗濯機に入れスイッチを押す。 その間にベッドのシーツを剥がし籠に入れて、布団はベランダに干した。 掃除機をかけ拭き掃除までした。 洗濯物を干し、今度はシーツを洗濯機に入れスイッチを押す。 その間に買い物へ出た。 食料品を買い込み帰る。 冷蔵庫に全て入れ終わるとさっき洗濯機に回したシーツを干した。 シャワーを浴びて汗を流す。 髪をタオルで拭きながらリビングを見渡し、よしっ。と一人納得する。 冷蔵庫から水を取り出しその場で半分位飲んだ。 水を手にソファーへ座ろうとした時、あの 封筒が置きっぱなしだったのに気付いた。 これさえ無ければ、今まで通りに過ごせてたのに…。 また、負の感情が渦巻いて来そうなのをあたまを振って払い除ける。 もう、余計な事は考えるな。 自分で自分に言い聞かせ、封筒ごとゴミ箱へ放り投げた。 新鮮な空気が入り込む室内に深く息を吸い込んだ。 ソファーに座りテレビを着けた。 何を見るわけでも無く、ただテレビの画面を眺めてるだけ。 テレビを見ていたらあるCMを見て、あっ。と思い出す。
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