141人が本棚に入れています
本棚に追加
『っちょっと!サワさん!やめ…っんっ!んん~!!』
朝からサワさんに襲われている楓を横目に依頼書類に目を通す。
「おはようございます。明奈さん。」
眠そうにやって来た明奈さんに挨拶をして、立ち上がり珈琲を入れる。
『おはよう。神谷。ちょっと!楓!朝から鬱陶しいわよっ!』
サワさんに熱烈なキスをされている楓の頭を叩く明奈さんに笑う。
今日は機嫌が悪そうだ。
「お疲れですか?」
バッグをデスクに置いて俺の方へ来た明奈さんに珈琲を手渡し言った。
『まぁね。相手が若いからタフでさ。一晩に何度も求めてくるのよ。もう、クタクタよ。』
「依頼…じゃないですよね?」
オフィスに顔出してるって事は。
『違うわよ。夕べ、呑みに行って捕まえたのよ。たまには、仕事以外でヤラなきゃストレス溜まるじゃない。だからと思ってね。でも、失敗だった。』
ハァ~と大きなため息をつく明奈さん。
「まぁ、そうですよね。【別れさせ屋】は精神的に疲れますもんね。依頼は今のところ…」
無いんですか?と、聞こうとしたら社長室の扉が開いた。
『…ゲッ。絶対、私だわ。』
明奈さんの予想通り社長の視線は明奈さんを捕まえた。
『明奈さん。お仕事です。』
「ハハッ。暫く会えませんね。頑張って下さい。」
苦笑いをしつつ明奈さんを励ました。
最初のコメントを投稿しよう!