驥服塩車(キフクエンシャ)

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しかし、自分達と同じように、威厳性ゼロの恰好を隠してくださろうと、毛布片手に探し回っていた方が、羽毛のような羽ではなく、まるでコウモリや飛竜の羽のような禍々しい姿で伝えられてしまっているのは少し、いやかなり可哀そうという点からしてもそうだし、他の例をあげればキリがない。 基本的に自分の思い通りに事を勧めるわが主とは対照的に、目の前のお方はそんな不幸に見舞われやすい。 あるものをあるがまま、創ったものには極力手を加えないという点においては共通であるが、気まぐれに遊びに行っては好き勝手にいじくって放置してしまうのと、自立を重んじて自由にさせるのは似て非なるものだ。 後は知らないと適当に放り投げてしまう事をよしとしていない気質ゆえに、代わりにと言うべきなのか、貧乏くじを引きまくり、後片付けをさせられてしまう運命にあるらしいお方は、今もまるで子供のおもちゃを代わりに片付ける母親の如く、唯一触れても許されるソファー周りのおもちゃを文句と小言を言い続けながらも片付けている。 かたや、羽や後光をバックに神々しい姿で伝えられているのに、中身は子供よりも性質が悪い大人子供のような相手は、自分のおもちゃを片付けられるのが嫌なのか、「勝手に触らないでよ」なんて、あたかも“これから片付けるつもりだったのに”をアピールしている。 「嘘つけ。だったらまず、あの星をどうにかしろ。私には生み出す事は出来ない」
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