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(実は飛び跳ねたいくらいワッキワキの)旦那の場合~
ついに。
ついに俺の子供が!
この気持ちをどう伝えたらいい。
あ。
気持ちの前に父さんたちに妊娠のこと伝えないと。
うわ。
また親戚連中がやかましいな。
美那も実家に行きたいだろうし。
それに現実問題として美那の仕事。
どうする気だ?
別に俺だけの給料でやって行けるけどさ。
だがまあ。
慌てなくてもいいか。
美那が自分で決めることだ。
もちろん無理するようだったら、即俺が決めるけどな。
当たり前だろ、俺が大事なのは美那と今美那の体の中ですくすく育ってるはずの赤ん坊。
仕事の為に体壊したら大変だ。
赤ん坊。
男かな、女の子かな。
うわ。
どうしよう。楽しみ。
チン………
「降りっぞ」
「浩司。何だかニヤニヤしてキモイ」
なんだよそのナマモノ見るような目は。
「そんな俺に惚れてんだろ」
「………………いつか仕返し」
「楽しみ増えたわ」
今日の美那は、思ってること素直にぶちまけてるようで。
いつもこんなだと、可愛くて家に閉じ込めちまいそうだな。
…………多分今だけだろうが。
「守衛室の前通らなきゃ」
何その嫌そうな顔。
「どっちにしたって車、地下に止めてるから」
俺が一緒だから嫌だとか。
ちょっと拗ねるぞ。
「守衛さん。私のあだ名知ってるのよね」
美那が繋いだ手を握り返してくる。
嫌なのはそっちかい!
「いいじゃないか。もうガールじゃねーけど。マダムクリーンてとこ?」
「はああ?ほっといて」
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