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俺は若葉の匂いを含んだ5月の風を勢いよく吸い込んで、燦々と降り注ぐ眩い光に目を細めた。
見えてきた県道との交差点、信号は赤だ。
俺は足を止めて指先をブレーキに添えた。
自然と落ちていくスピードに任せて、ギリギリまでブレーキを掛けないでいると、あと数メートルって所で青信号に変わる。
うっしゃ――
俺はまた勢いよくペダルを踏んで交差点に突入した。
その瞬間、右側から紺色のダンプカーが迫ってくるのが見えた。
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