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それから数ヵ月後に彼らは卒業した。
それぞれがそれぞれの道を進んでいく。
別れを惜しみながらもそれぞれが希望を胸に抱いて…
新たな校舎、新たな友達。そして彼らは新たな場所で新たなスタートを切る。
ワタルは卒業してから男子校に進んだ。
その後、友達と念願だったバンド活動を始める。
最初はつまずいたり、迷ったり、上手く行かないこともあった。
それでも、ステージに立ちたい一心でがむしゃらに頑張った。
それから1年、ワタルは小さいながらもライブハウスのステージに立つことになる。
もちろん、片手には大好きなギターを携えて。
ステージに立ち、もういない由愛を思う。
やっと憧れだったステージに立てたよ。
由愛も遠い空から見ていてくれるかな。
ワタルは忘れていた感情を思い出して涙した。
…どうしてキミはここにいないのだろう。
遠い空へ還った由愛に想いをはせながらその夜は音を奏でた。
ありがとう、由愛。
【おわり】
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