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だけどいつだって本当の母親のように愛情を持って接してくれるただ一人の人。
だからどんなに厳しくされても、オレたちはそんなばあちゃんが大好きだった。
ばあちゃんだけが家族だった。
ばあちゃんは身を粉にしてオレたちのためにいろんなことをしてくれた。
朝から晩まで働いて、オレたちにご飯を食べさせてくれて、必要なものを買ってくれるのもばあちゃん。
学校の行事に来てくれるのもばあちゃん。何をするのもばあちゃんだった。
その頃のオレにはそれがどんなに大変なことかなんてわかってなかった。
決して裕福な暮らしではなかった。
だから文句を言って困らせたこともあったけど不幸ではなかった。
何を言われても他の子に引け目は感じないくらい幸せに満ちていた。
ばあちゃんはいつでも本当の母親以上に母親でいてくれたから。
そしてそんな日々がこれからもずっと続くと思ってた。
でもオレが中学に上がってすぐの頃、ばあちゃんが突然、倒れた。
職場で倒れているところを発見されて救急車で運ばれたらしい。
過労が原因だった。
病室でベッドに横たわりながら疲れた顔でばあちゃんはいう。
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